2023年07月28日
今までに失くしたものよりも、これからは手にするもののほうが多いと信じて。
その昔、多くのグラフィックデザイナーおよび広告制作者たちがデザインの仕事をはじめた頃は、カッターナイフやペーパーセメント・ロットリング(製図ペン)・定規を使用し、まったくの手作業で制作を行っていました。インターネットがブームとなる以前の1990年代の半ば、デザインワークにMacを導入したのですが、その当初は どうしても手作業の方が慣れていたたため 挫折しかかっていたというのが事実です。当時は、まさか20世紀中に デザインワークにパソコンの導入などあろうはずがないと恥ずかしながら信じていました。
1995年1月17日、あの阪神大震災が発生し神戸を中心とした阪神間の街は壊滅状態になりました。そんな時、ある鉄道会社関連の看板業者から沿線の各駅に設置する案内看板を大至急レイアウトして欲しいとの依頼が入ったのです。各駅ごとに少なくても案内看板は10枚は必要との事。従来の制作工程では 到底追いつくような数ではありません。そこで僕は 初めて真剣にMacの前に座り、イラストレーターというソフトを使い、案内看板を作るという目標に向けての制作を始めたのでした。結果は想像以上に凄いものでした。カッターナイフで切る作業もペーパーセメントを用いて貼る作業もロットリングと定規を使って正確な線を引いたりする作業もこのMacで すべて出来てしまうではありませんか。それまで文字を制作するにも 写植機という機械を使いオペレーターに 文字指定を渡し、写植機が打てる文字よりも大きな文字が必要であれば、デザインスコープで拡大し、それを印画紙に焼いて版下に貼っていたのでが、このMacという「魔法の箱」を使うことにより、いとも簡単に出来てしまうのです。その「魔法の箱」の御陰で、たった一日にして全ての駅の案内看板の版下を一人で作成することが出来ました。それまでのアナログ制作行程では 少なくとも5倍の時間は かかるであろうという作業でした。以来 僕は、Macに対しての挫折感などというものは一切なくなり、デザインワークのデジタル化に対しての自信も生まれましたし、この「魔法の箱」の虜になってしまったのです。


写真提供:神戸市
その後、インターネットの世界に足を踏み入れ ホームページ制作を始めたのですが、当初は 画像一つにしてもサーバーへ送る方法すら知らなかったですし、もちろん サイト作成・構築に至っての知識はまったくありませんでした。それらを解決したのは、簡単に作成できるソフトが既に存在していたおかげです。
しかし 残念なことに、さらなる発展を期待していた21世紀を目前にして大阪市内で創業した会社を含め 全てを失った僕は このデザインの現場から離れなければならなくなりました。放浪し辿り着いた先で まったく畑違いの職に就きましたが、そこで 運よく インターネットやパソコンに関わる仕事をさせていただき自分自身が思っているよりも 高く評価していただいたのです。そして ようやく2005年の暮れに、周囲の人々のお力添えで このデザインの現場に復帰することが出来ました。デザインの現場から 5年以上のブランク… この現場に再び足を踏み入れたものの、予想をはるかに超えた繁栄に全くの浦島太郎の心境でした。天文学的数字に増えたホームページを始め ネットショップとか意味不明…。それで いったい ブログって何なんですか?…といった状態でした。
そんな前の見えない時期に、各分野・業種の様々なウェブサイトを制作する機会に恵まれました。感性あふれる若いクリエイターたちとの運命的な出会いによる共同創作経験と より洗練され使いやすくなったソフトのおかげで制作物のクオリティは格段に向上しました。
それから十数年が経ち、今度はAIの発達によって働き場がなくなるのでは無いかという一部の人々の危機感を目にしつつも、それに交わることは決してありません。
またこれから人生で何度目かの転換期を迎えることになるのかを感じながらも、新しいものに対する不安などは一切無く、未来に向けてのワクワク感でいっぱいなのです。
江井島広告制作のロゴが新しくなりました。
アクセス数の急激な減少の主な要因とその対策
商売繁盛☆縁起のいい画数
現代の学習方法☆デジタル時代の学び方の進化
印刷物の種類とそれぞれの特徴
情報伝達の力とデザインで際立つチラシの魅力
アクセス数の急激な減少の主な要因とその対策
商売繁盛☆縁起のいい画数
現代の学習方法☆デジタル時代の学び方の進化
印刷物の種類とそれぞれの特徴
情報伝達の力とデザインで際立つチラシの魅力
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。