2024年01月30日
一枚の広告、千の言葉、創造は無限!メッセージを字で紡ぐフォントの役割について語る
先輩デザイナーの橋本さんとは デザイン制作に欠かせないフォント(書体)について話しても当然盛り上がります。
文字を見て その書体の名前を当てるゲームとかは マニアック過ぎてたまりません。
広告デザインとフォントは、ブランドや製品の印象を形成し、消費者に強烈なメッセージを伝える重要な要素です。
今回のお話は、広告デザインとフォントがどのようにブランドを象徴し、魅力を引き出すのかについてです。
1. デザインの魔法
視覚的な魅力は広告の成功に不可欠です。色彩、レイアウト、画像の選択はブランドのイメージを決定づけ、消費者の心に残る印象を生み出します。
2. フォントの選択肢
フォントは文字だけでなく、ブランドの個性やスタイルを伝える手段でもあります。セリフ、サンセリフ、ハンドライティングなどの異なるフォントが異なる感触を提供します。
3. 一貫性の重要性
ブランドメッセージを強化するためには、広告デザインとフォントの一貫性が不可欠です。同じフォントやデザイン要素を使用することで、ブランドの視覚的な一体感を確立できます。
4. 感情を引き出すデザイン
広告は感情を呼び起こすことができる力を持ちます。フォントのスタイルやデザインの要素を工夫することで、目標とする感情を引き出し、消費者に深い印象を残します。
5. デジタル時代の広告革命
インターネットとソーシャルメディアの普及により、広告デザインはデジタルプラットフォームにも適応され、新しいクリエイティブの可能性が広がっています。
4の「感情を引き出すデザイン」で事例紹介した「ダヴ」のCM動画を掲載しました。
これは似顔絵師 あるいはイラストレーター、そしてデザイナーなどのクリエイターにとって とても影響あるCMでした。
その内容はもちろんですが、メッセージ性の高いストーリーのイメージをそのままに伝えるべく使用されたフォントはシンプルです。途中何度か、喋る人物が変わる時にだけイタリック体(斜め文字)になる以外は同じ体裁の字幕です。
このCMが出たのは10年以上前となりますが、その間YouTubeが流行り出しての昨今では、テロップの方が前面に目立っている動画が散見されます。制作物が動画ではなくてもクリエイターの多くは 変わり続ける時代のテーストとともに 視覚的な効果の根本的な意味合いを見失う傾向になってくる場合もあります。例に漏れることなく僕もその中の一人なのかもしれません。
広告デザインとフォントの組み合わせは、ブランドの視覚的なアイデンティティを構築し、消費者とのコミュニケーションを深める鍵です。
創造的なデザインと適切なフォントの選択により、ブランドメッセージはより強力で魅力的になります。
特にフォントはデザインの中でも大切な要素で、デザインの質や効果を大きく左右します。
文字の目的は「意味がわかる」ことにあります。フォント選びを怠ると、文字が見えなかったり、意味が伝わらなかったりします。
フォントは、視覚的な要素が強いため、常に「見やすく、伝わりやすく、読みとりやすく」なければいけません。
橋本さんも僕も この業界に入った当初、美しい文字の使い方については かなり厳しく鍛えられた経験があります。
最近では ビジュアル的には長けているけれど、書体選びや スペーシングなど文字の配列がイマイチな仕上がりの広告物をよく目にします。そんな時、とても残念に思います。
それに関しましては 我々と同じ経験を積まれたデザイナー諸氏が語っておられますので参考にしてください。
⇒ 字詰めがうまいとは? | OKWAVE
2の「フォントの選択肢」の「無印良品」の例のところで モリサワの書体のことを述べましたが、大阪市浪速区に本社を置く株式会社モリサワは印画紙に文字を印字する写植機のメーカーとして設立以来、DTP用フォントや組版ソフトウェア、オンデマンド印刷機などを開発・販売している企業です。
僕が就職した大阪の東天満の会社は 前身が写植屋さんだったので デザイナーはオマケみたいな存在で版下作業という地味な仕事が多かったです。しかし当時、最新鋭のモリサワの電算写植機をいち早く導入し、後に社長は大阪DTP協同組合理事長を務ています。そのような環境で僕はデザイン業界におけるフォントの役割を十分知りつくし、フォントありきの広告制作技術を身につけることが出来ました。
モリサワの創業者であります森澤信夫氏は1901年 兵庫県揖保郡の出身であるとWikipediaには記されていましたが、揖保郡というと 現在の太子町なのでしょうか?
株式会社モリサワのホームページによれば、1961年に文字盤製造部門を独立させ「モリサワ文研株式会社」を明石市に創設したそうです。
明石の天文科学館の西、柿本神社の階段を下りた亀の水近くに こちらの会社はあります。ふれんどらいんの明石街歩きイベントでこの会社の前を通った際に 印刷好きな参加者の方に教えていただきました。
株式会社モリサワの社名と本社の電話番号と共に「御用の方はモリサワの本社にご連絡ください」といった内容が郵便受と一体型のプレートに刻まれていました。建物は綺麗なので いつもどなたか出入りはされていると思います。
なぜ明石にあるのかよくわかりませんが、ただ… なんとも言えない感極まるものがありました。
橋本さんとも話したのですが、近いうちにフォントとデザインに関わるイベントを企画開催出来ればと思っています。

文字を見て その書体の名前を当てるゲームとかは マニアック過ぎてたまりません。
広告デザインとフォントは、ブランドや製品の印象を形成し、消費者に強烈なメッセージを伝える重要な要素です。
今回のお話は、広告デザインとフォントがどのようにブランドを象徴し、魅力を引き出すのかについてです。
1. デザインの魔法
視覚的な魅力は広告の成功に不可欠です。色彩、レイアウト、画像の選択はブランドのイメージを決定づけ、消費者の心に残る印象を生み出します。
◆事例
1. 僕が少年期から特に影響を受けたコカコーラの広告は、赤い背景と白い文字で構成され、シンプルでありながら視覚的に魅力的なデザインを展開しています。これにより、ブランドのエネルギーと楽しさが視聴者に伝わります。
2. ユニクロはシンプルで洗練されたデザインが特徴で、商品の特徴や素材に焦点を当てた広告が展開されています。カラーブロックやシンプルなテキストが、視聴者に直感的でスタイリッシュな印象を与えています。
2. フォントの選択肢
フォントは文字だけでなく、ブランドの個性やスタイルを伝える手段でもあります。セリフ、サンセリフ、ハンドライティングなどの異なるフォントが異なる感触を提供します。
◆事例
1. サンセリフ書体のImpactをイタリックにしたNikeのロゴは、力強く活気にあふれ運動や勇気の精神を表現しています。フォント自体がブランドのメッセージを強調しています。
2. MUJI無印良品はシンプルで読みやすい「MUJI」の部分がHelveticaで、「無印良品」の部分がモリサワA-OTFゴシックMB101という既存のフォントをそのまま採用しており、そのフォントはブランドの哲学である「無駄を省いたシンプルな生活」を反映しています。文字からも商品の直感的な品質が伝わります。
3. 一貫性の重要性
ブランドメッセージを強化するためには、広告デザインとフォントの一貫性が不可欠です。同じフォントやデザイン要素を使用することで、ブランドの視覚的な一体感を確立できます。
◆事例
1. Starbucks(スターバックスコーヒー)の場合、店舗デザイン、製品パッケージ、広告などで同様の緑と黒のカラーパレット、そして同じくらい特徴的なロゴを一貫して使用しています。これにより、ブランドがどこでも認識されやすくなっています。
2. SONYは長年にわたり、赤と白を基調としたカラーパレット(It's a Sony)や同様のロゴデザインを一貫して使用しています。これにより、グローバルに展開されているにも関わらず、ブランドの一体感があります。
4. 感情を引き出すデザイン
広告は感情を呼び起こすことができる力を持ちます。フォントのスタイルやデザインの要素を工夫することで、目標とする感情を引き出し、消費者に深い印象を残します。
◆事例
1. Dove(ダヴ/ユニリーバ)のリアルビューティーキャンペーンでは、シンプルながら感動的なビジュアルデザインが使用され、消費者にポジティブな感情を喚起しています。これがブランドの信頼性を高めています。
2. 資生堂は美容製品の広告において、花や美しい景色など感動的で女性らしいデザインを用いています。これにより、製品が美しさや自己表現といった感情的な側面を引き出しています。
5. デジタル時代の広告革命
インターネットとソーシャルメディアの普及により、広告デザインはデジタルプラットフォームにも適応され、新しいクリエイティブの可能性が広がっています。
◆事例
1. Appleのデジタル広告や製品プロモーションは、革新的なデザインと洗練されたフォントが組み合わさり、製品の先進性やUX(ユーザーエクスペリエンス=あらゆる製品やサービスを通してユーザーが感じる使いやすさ、感動、印象といった体験すべて)を強調しています。
2. 神戸に本社を置くアシックスなどもデジタル広告やSNSを活用して、ランニングやフィットネスのシーンでの活動的なイメージを強調しています。フォントやデザインが活気とスポーティな印象を与えています。
4の「感情を引き出すデザイン」で事例紹介した「ダヴ」のCM動画を掲載しました。
これは似顔絵師 あるいはイラストレーター、そしてデザイナーなどのクリエイターにとって とても影響あるCMでした。
その内容はもちろんですが、メッセージ性の高いストーリーのイメージをそのままに伝えるべく使用されたフォントはシンプルです。途中何度か、喋る人物が変わる時にだけイタリック体(斜め文字)になる以外は同じ体裁の字幕です。
このCMが出たのは10年以上前となりますが、その間YouTubeが流行り出しての昨今では、テロップの方が前面に目立っている動画が散見されます。制作物が動画ではなくてもクリエイターの多くは 変わり続ける時代のテーストとともに 視覚的な効果の根本的な意味合いを見失う傾向になってくる場合もあります。例に漏れることなく僕もその中の一人なのかもしれません。
広告デザインとフォントの組み合わせは、ブランドの視覚的なアイデンティティを構築し、消費者とのコミュニケーションを深める鍵です。
創造的なデザインと適切なフォントの選択により、ブランドメッセージはより強力で魅力的になります。
特にフォントはデザインの中でも大切な要素で、デザインの質や効果を大きく左右します。
文字の目的は「意味がわかる」ことにあります。フォント選びを怠ると、文字が見えなかったり、意味が伝わらなかったりします。
フォントは、視覚的な要素が強いため、常に「見やすく、伝わりやすく、読みとりやすく」なければいけません。
橋本さんも僕も この業界に入った当初、美しい文字の使い方については かなり厳しく鍛えられた経験があります。
最近では ビジュアル的には長けているけれど、書体選びや スペーシングなど文字の配列がイマイチな仕上がりの広告物をよく目にします。そんな時、とても残念に思います。
それに関しましては 我々と同じ経験を積まれたデザイナー諸氏が語っておられますので参考にしてください。
⇒ 字詰めがうまいとは? | OKWAVE
2の「フォントの選択肢」の「無印良品」の例のところで モリサワの書体のことを述べましたが、大阪市浪速区に本社を置く株式会社モリサワは印画紙に文字を印字する写植機のメーカーとして設立以来、DTP用フォントや組版ソフトウェア、オンデマンド印刷機などを開発・販売している企業です。
僕が就職した大阪の東天満の会社は 前身が写植屋さんだったので デザイナーはオマケみたいな存在で版下作業という地味な仕事が多かったです。しかし当時、最新鋭のモリサワの電算写植機をいち早く導入し、後に社長は大阪DTP協同組合理事長を務ています。そのような環境で僕はデザイン業界におけるフォントの役割を十分知りつくし、フォントありきの広告制作技術を身につけることが出来ました。
モリサワの創業者であります森澤信夫氏は1901年 兵庫県揖保郡の出身であるとWikipediaには記されていましたが、揖保郡というと 現在の太子町なのでしょうか?
株式会社モリサワのホームページによれば、1961年に文字盤製造部門を独立させ「モリサワ文研株式会社」を明石市に創設したそうです。
明石の天文科学館の西、柿本神社の階段を下りた亀の水近くに こちらの会社はあります。ふれんどらいんの明石街歩きイベントでこの会社の前を通った際に 印刷好きな参加者の方に教えていただきました。
株式会社モリサワの社名と本社の電話番号と共に「御用の方はモリサワの本社にご連絡ください」といった内容が郵便受と一体型のプレートに刻まれていました。建物は綺麗なので いつもどなたか出入りはされていると思います。
なぜ明石にあるのかよくわかりませんが、ただ… なんとも言えない感極まるものがありました。
橋本さんとも話したのですが、近いうちにフォントとデザインに関わるイベントを企画開催出来ればと思っています。
